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◆ 春は苦い

今回のフランスでの1ヶ月ほどの滞在の中、食べたものの中で一番おいしいと思ったものは何か考えてみました。

滞在先の先生の作る料理は絶品だったし、オフでおいしいレストランでの料理もたくさん楽しみました。ワインもチーズもたくさんいただいたし、ブルゴーニュ地方の郷土料理を教えていただいて作って食べるという体験もした中、「いやあ、もうなんといっても一番おいしかったよ。こんなおいしい○○を食べたのは、たぶん生まれて初めてだよ!!!」と思ったものは。

こちらでございます。

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えええーっ?

なにそれ、これだけ?



と思う方もいるかも。んだがしかし、これだけなのだ。これはカリフラワーを蒸しただけのものでござる。


なんだよ、カリフラワーってこんなにうまいのかよ。おらあ、こんなカリフラワーを食べたのは生まれてはじめてだよ。おうおう(泣く)。

もとからカリフラワーは大好きなので、東京でもよく買う野菜です。ただカリフラワーは意外と高いので、そうそういつもは買えないのだけれど、蒸したりゆでてサラダにしたり、シチューに入れたり、もしくは生米と一緒に炊いてリゾットにしたりすると、本当によい野菜の味がしておいしいのだよなあ。

しかしね、これまで私がカリフラワーの味だと思っていたものは、今回ブルゴーニュでいただいたカリフラワーに比べたら、なんだかものすごく違うものであったということがよくわかりました。

このカリフラワーは、モンバールの駅前に毎週1回立つ、Bioのマーケットで買ったものです。このマーケットには、近隣で野菜を作っている農家の人たちが、自分の畑で採ったものを運んできて売っています。Bioですから、農薬を使わず、なるべく自然に近い形で作っている野菜。形もばらばら、色もまちまちで泥だらけの野菜たちです。

カリフラワーの季節は、冬から3月にかけてですから、ちょうど終わりかけの旬だけれど、その日の朝に収穫されてきた瑞々しいカリフラワーくん。
蒸して食べながら、これは何かの味にとても似ている、、、、、と思ったわけです。なんじゃろう?

しばらくして思い当たる。
たけのことそっくり。


つまり、苦いのでした。

ああ、春の味。

春って苦いんだわ。


ほのかに苦くて、ねっとりと甘くて、瑞々しくてこくがあって。カリフラワー、うますぎる!!!

マヨネーズをたっぷりつけて食べようと思ったのに、気がついたら何もつけずに、私一人でこぶりのカリフラワー丸ごと一個完食していました。うまかったよう。


その次の週、またまた食べたくってマルシェへ。
1個買おうとしたら、ひげだらけのお店のおじさんが、
「これはBioのカリフラワー(フランス語では le chou fleur。chouっていうのはキャベツのこと。花キャベツみたいな意味ですね)だよ。知ってる?」

というので、
「もちろん知ってる。先週買ってすごくおいしかったから、また買いにきた」と伝えたら

「スーパーで売ってるカリフラワーは、実を白く見せるためにたくさんの薬品が使われているんだ。農薬もね。うちのはいっさいそういうのを使わないから、色も形も悪いけど、味はうまいんだよ」
って。


あああ、あの滋味や苦み、こくや深みは、そういう理由もあったのかも? と単細胞の私は勝手に感激して、またまたおいしくいただきました。はい、1個まるごと完食。


東京で、無農薬とか有機とか、高いから別に普通の野菜でいいじゃない? って思って買うこともあるんだけど、自然に近い場所で作られて、それがすぐ近くの場所で、その日に採れたものをいただけたら、ここまで味が違うものなのだと、深く深く感じ入りました。

野菜と卵は、ちゃんとしたところのものをちゃんと選んで食べよう。
またまた心に誓う。

春は苦い。
そしてその苦みが、生きる力にちゃんとつながっていく。

この野菜も苦かったです。

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ホワイトアスパラガス!!!!

ああ、夢のようだ。
マルシェの一角がすべてホワイトアスパラ。

すっかり、4月はホワイトアスパラの季節。


初物はフランスでも高いと言われ、覚悟して出かけたマルシェ。

写真のサイズのしっかりしたもので、2キロで11ユーロでした。
おくさん、2キロで1500円。1キロ750円。

東京だったら、4、5本で500円というのが相場でありましょう。
感涙。
一生分食べて帰りたい。。。。。。

こちらもただ蒸しただけ。オイルビネガーのソースをちょっとだけつけて、延々とむしゃむしゃ食べ続け。白ワイン飲み続け。

しあわせこの上ない。

もうひとつ。
Bioのマルシェで教えてもらった、この季節のおいしい野菜。

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右下に見える、真っ黒い固まりのようなもの。
どうやって食べるの? と聞いたら、薄く切ってワインのおつまみに、生のまま齧るんだと教えてもらい。

フランス語の先生も、そういえば同じものをアミューズがわりに、ブルゴーニュの食前酒と一緒に出してくれたことを思い出し、まねをしてやってみました。

合わせたのは、ロゼワインのように見えますが、フランス語で灰色を表す Gris ワイン。モロッコなどでもおいしいのがたくさん出てますが、ロゼよりもっとくすんで、味も切れがよい感じのワインです。

この野菜の名前、覚えていたはずが今、失念。
どこかにメモがあるはずなので、探しておきます。
味は、日本の大根とほとんど同じです。あっさりとした苦みが、食欲をそそります。

これは確実に、日本酒にも合うはず!


この季節、野菜は苦いものが多いです。
新鮮であればあるほど、その苦みは健康に生きる力につながっていく。


たくわえた力を急に解き放つ春という季節は、苦いものなのだねえ。
青春も、だから苦いのだよ。
アメリカにいる息子よ、がんばれよとも思った春のブルゴーニュでした。

やっぱり野菜も肉も、フランスはうまいです。

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